丸三日間以上にわたって吹き荒れたフィーバーストリームスも

ようやく静まってきたようで、なんとかパソコンに向かうぐらいの元気は戻ってきた。今の僕は不思議な感覚。たとえるなら長時間サウナにこもって出てきた直後のような、ふらふらふわふわの浮遊感と、微妙な倦怠感と、ふしぎな身の軽さ。気持ち悪気持ちいい感じ?

とりあえずインフルエンザはマイナスだったので安心。昨日今日が二連休だったことも幸いして、仕事を休まなくて済みそうなのもラッキーと言えると思う。
ただひよこペンギンの予約は延ばさざるを得なかった。でもこれも仕方のない事だし、無理をしていったとしても僕自身楽しめなかっただろう。まぁ来週にすればいいさ。

フィーバーストリームスのさなか、久々に読書に浸る。奔流に呑まれながら闇雲に流木にしがみつくように無作為に読んだ。なかでもディックの『流れよ我が涙、と警官は言った』は読ませる力が非常に強く引きずられるようにして読み進めた。村上春樹の『遠い太鼓』も(これはまだ途中だけど)面白い。

熱が一番ひどかったおとついの夜、僕はほぼ生まれて初めてとも思える烈しい脱力感でとても食事がのどを通る状態ではなかった。かろうじて冷たい飲み物だけが赤く膨れ上がった僕の喉の門番のきびしい検閲をパスすることが出来た。そんな状態の僕に何とか飯を食わせようとする家族たち。もちろんそれが悪気であるはずも無く、僕を心配して言っていることは判っているのだけれど、それでも家族たちの「食べないと元気が出ないよ。〜だけでも食べれば?」みたいな言葉が妙に神経にさわった。
それで僕は最近の僕が関わっている人たちのこと、彼らに対する僕たちの対応について思い当たった。彼らは僕の場合と違い、もう何年もそのような熱や痛みにうなされ、そのうえ僕のように「まぁとにかくそのうち直るだろ」と開き直ることも出来ないのだ。彼らがもっとも恐れるのは「ここからもう出られないのではないか」という自分自身の考えなのだ。

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)
遠い太鼓